「まことの華姫」を読んで

畠中恵さんの小説「まことの華姫」を読みました。
江戸両国の見世物小屋で真実を語るとして噂になっている、木偶の姫様人形のお華。腹話術を使ってお華を操る芸人の月草と、地回りの親分の娘であるお夏を中心に、様々な事件の謎解きをしていく物語です。
暑くて寝苦しい夏の夜に、涼を求めて人々が集まってくる盛り場の様子が何とも楽しげで引き込まれます。まるで生きているように見えるお華に魅了され、すがるような気持ちでやってくるお客さんは後を絶ちません。現代でいうところの、占いにハマるような感覚でしょうか。それぞれの人生に抱えた重荷を何とかしたいと思う人は、きっと大勢いるのでしょう。
第一話ではお夏がお華と語り合うことにより、亡くなった姉の死の真相にたどり着きます。父親に愛されたいと願う十三歳のお夏が、確かな愛情を感じることができたラストシーンは素敵でした。火事で行方知れずになった子どもを探し続ける夫婦など、江戸に生きる人の息づかいを感じられるようなエピソードが多く、とても興味深いものがありました。おいしい海の幸はコチラ